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heima

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since Jan 27,2010

紫苑さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

002:隣   里やまに春の隣りの近ければ梢を透かすひかりやはらぐ
011:揃   不揃ひの小鉢に似たり差し向かひ黙して過ぐすひと日の終はり
019:そっくり ひとの子とそつくりに鳴く野良一匹見捨てもならず餌を運びをり
024:玩   たくぶすま白布の波にただよへる吾を玩(もてあそ)べあからしま風
032:詰   海の面に理詰めの君よ帆に帯びぬもの知らずして平らかにあれ
035:むしろ さむしろに鎌一丁の陽を受けつ振るふ手の見ゆ白日夢かな
042:稲   飛び起きて虚空を睨む猫の眸の奥に小さき稲妻はしる
054:武   棲まひせしひとも聞きけむ武相荘(ぶあいさう)を包める竹の群さやぎをり
068:巨   髪撫づる巨きてのひら日の暮れに泡立草の黄の神さぶる
089:喪   咲きしまま色喪(うしな)へるあぢさゐは骸(むくろ)のままに春迎ふらし
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# by ken_1997 | 2012-03-13 06:49 | 題詠(鑑賞)
秋月あまねさんの御歌からお気に入りを選んでみました。

002:隣   目の前の人に念いを話させて私は隣の人を見ている
009:程   音程は1オクターブ違ってもおんなじ曲で歩いてゆける
014:偉   凡人が手を貸さなかったばっかりに未来の偉才ここに斃れる
022:突然  番組の途中で突然チャンネルが変わる/きのうの私が予約
038:的   目的のはっきりしない森を抜けこれはと思う我が家を探す
042:稲   いつの日か滅びたもののアーカイブとしてみるだろう秋の稲掛け
068:巨   喘ぎにも似たり巨木のうろの中吹き込む風のつくる絶唱
069:カレー どの家のレシピだろうか炊き出しのカレーライスの味というのは
092:童   掌に消毒の泡を擦り込んでマスクを着けてゆく児童館
097:尾   尾も羽も折れてしまった剥製にトリよりましな名前を上げて
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# by ken_1997 | 2012-03-13 06:18 | 題詠(鑑賞)
平和也さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

008:深   お互いに深い付き合いするほどの手がかりもなく目さえ合わせず
029:座   座布団を人に盗られた腹いせか犬にパンチを食らわせる猫
033:滝   山道を分け入るほどにいやまさる冷気に滝の近づくを知る
043:輝   生徒らに目の輝きがないことをさばの目と呼ぶ数学教師
059:貝   乗客がみな貝となる車内での揉め事あれば泣き面に蜂
075:溶   玉葱の溶けたものなら有り難く頂戴したく存じ候
086:片   この冬も間もなく過ぎていくわけで片袖口のほころび隠す
094:担   次くれば担々麺と思いつつ醤油をたのむ初めての店
097:尾   へそ曲がりゆえに尻尾も曲がるとはつねづね猫を見てのたわごと
100:先   このごろは女性専用車なわけでごぶさたしてる先頭車両
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# by ken_1997 | 2012-03-13 06:15 | 題詠(鑑賞)
人の真似をして、題詠ブログ2012を完走された方の御歌から十首ずつ選んでみようと思います。

みずきさんの御歌からお気に入りを選んでみました。

001:今   今を急く時間(とき)も心も雪のなか白き夕べのなほ遙かなる
013:逆   逆光のなかの私は消えさうな玻璃の指紋をなぞり確かむ
015:図書  図書室をひかりが奔り少年は黙す指(および)を透かしつつ読む
032:詰   思ひ詰め春怨といふ寂しさに海とほく見る三月の青
039:蹴   水を蹴る鳥の啼きゐしあかときが湖(うみ)の底まで青く降りたる
056:晩   晩春の水の感触しづくして眠りを覚ます日曜の午後
062:軸   花軸よりあぢさゐの海広ごりて人来ぬ夜を静かに濡らす
078:査   診査する臓器の触るる脈動に耳透かしをり遠く雪降る
085:甲   掌(て)の甲を翳せば白く影ろひて雪降るらしき雲の落ちくる
093:条件  この条件(くだり)違(たが)へぬ恋の誓ひとふ浜木綿の丘返す春濤
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# by ken_1997 | 2012-03-13 06:09 | 題詠(鑑賞)
081:秋   秋かぜにこころ疼きてわれはまだ何にもなれぬ北の大空
082:苔   胎動の後に流れし時ほどに溶岩覆ひ苔衣の厚し
083:邪   いいとこで赤信号が邪魔をして未来が少し離れてゆくよ
084:西洋  大西洋をひとたび行けば戻ることなしと期しつつ日は航(ゆ)きにけり
085:甲   排ガスに青春てふは汚されてどこまでもゆく甲州街道
086:片   片見月薄は真夜の海に泣きわれは北極星と向き合ふ
087:チャンス 見呆れつつシャッターチャンスを逃したれば補ふやうにうたなど詠ふ
088:訂   文脈に訂(ただ)されしあとをみとめれば健気なるかなおまへのメール
089:喪   幼馴染と会はずに暮らすわが町の駅前にできた喪場ありて
090:舌   にが虫を潰したやうな面持ちで巻き舌をんなの英語を聞きぬ
091:締   いっせいに遡りゆく血潮なり戸締りを不安に思ふとき
092:童   いちにいさん数え終えたらもういいかい?どこへかくれた童ごころは
093:条件  不自然な沈黙にフル回転で条件分岐を計算している
094:担   忽ちに通過点となる道を見返し担ぐ星座と知りぬ
095:樹   街路樹のつゆも動かぬきさらぎの窓辺に愁ふ彼方のいくさ
096:拭   加速せば重力にさへ逆らへる水玉模様が不意に拭はる
097:尾   パン屑にしたがひ白鳥いそいそと尾を振りながら歩み寄り来む
098:激   温泉の湯気も冷めたる更く夜に並び澄ませば激(たぎ)る川音
099:趣   まだ他人にうたを詠むとはよく言えず無趣味といへばつまらぬをとこ
100:先   先生と呼ぶ人われより若かりてゆっくり息を吸へなどと言ふ
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# by ken_1997 | 2012-03-11 08:11 | 題詠blog2012