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heima

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カテゴリ:題詠(鑑賞)( 13 )

白亜さんの御歌からお気に入りを選んでみました。
 
028:脂   窓辺には無脂肪乳ラテと私だけ 君のいない世界をひとくち
033:滝   沈黙の水面より来し青年の内に流るる滝つ瀬のおと
046:犀   直黒に2Bで犀の眼を描き顔を上ぐれば風のいろ見ゆ 
062:軸   いつのまにかゆがんだ軸に肉をまとい人を演じるのに疲れた、僕は
064:志   志を決めて旅立つ君の背に見えない翼を描きたしておく
068:巨   あをき影咲きては散りぬ 巨大水槽に魚と陽とが交じるまひるま
077:転   波寄れば浮輪ひとつが転びをり 夏の終はりのゆるやかなこと 
082:苔   凪ぐる海のいろをおもひき はろばろとなべて苔むす都市のなきがら
084:西洋  とりどりの果実が憂いをおびていく たそがれどきの西洋菓子店 
100:先   たやすくは先を語らぬひととゐて海に入りゆく落日を見る

色々な方のお歌を鑑賞しようと思っていたのですが諸事情により叶いませんでした。
鑑賞の最後として同年代でありながらいつも刺激を与えてくれる白亜さんのお歌を選ばせていただきました。
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by ken_1997 | 2012-12-24 10:41 | 題詠(鑑賞)
葵の助さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

009:程   アルコール程良く回った今君の作り笑顔をそっと引っ掻く
013:逆   「逆さまの町なら暮らしやすそうだ」少女がくるり鉄棒おりる
017:従   従ってわたしは消えてゆくのです 薄ら笑いが西へひらひら
025:触   君のいるまるいお腹に触れた時彼方の桃がくすくす笑った
036:右   少しだけ右側に顔傾けて影は無駄なくひとつになった
055:きっと タブレットぱきっと割って君と僕永遠を分け合おうか(なんてね)
058:涙   人を待つ街に催涙スプレーを吹き掛けているわたしはひとり
080:たわむれ たわむれにシロツメクサを載せられたまま植物になる女の子
090:舌   「滑舌」が「かつぇつ」になる舌だから嘘を転がす気にもならない
099:趣   趣味のいいネクタイに打ちのめされて可憐な花を一輪盗んだ
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by ken_1997 | 2012-04-12 01:39 | 題詠(鑑賞)
ほたるさんの御歌からお気に入りを選んでみました。

009:程   幸せが前提にあるかけ引きは熟したトマトのような歯ざわり
020:劇   劇場の椅子には無数の魂がしみこんでいて悲しいでしょう
028:脂   曇天の空に流れる倦怠は低脂肪ミルクでつくるカフェオレ
032:詰   問い詰めてもらいたかったこともある 君のやさしい残酷が好き
039:蹴   蹴とばした空き缶がころがりゆく先を見ているような失恋だった
046:犀   動物園のサイは本当の犀なのか ツルは飛ばずに遠くを見ている
051:囲   前向きな思考ばかりに囲まれて息ができない 少し泣きたい
056:晩   晩春の色や匂いがわたくしの皮膚に染み入るホームのはしっこ
058:涙   水族館の魚の涙は見えないから幸せかどうかたずねてみたい
086:片   一片の木の葉が落ちる夢をみた わたくし自身が木の葉であった
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by ken_1997 | 2012-03-21 02:06 | 題詠(鑑賞)
こはぎさんの御歌からお気に入りを選んでみました。

006:時代  過去なんて知らないけれど懐かしい 同じ時代を生きていたきみ
010:カード 見えぬよう揃えたカードひとつずつ明かしていこう君崩すため
011:揃   お揃いの雑貨手に取りまた戻し別々になる日ばかり思う
029:座   心さえ見つけられない公園で冬空見上げ探すきりん座
030:敗   不敗神話を塗り替えた真っ直ぐに「好き」なんて言うあの子の睫毛
036:右   右肩の向こう夕陽が沈むから聞き逃したよ今の「さよなら」
044:ドライ いつまでも残る手のひらの感触を吹き飛ばすためのドライヤー「強」
066:息   窒息死しそうな日々だ水槽を隔てて僕ら見つめ合うだけ
069:カレー 帰宅して一目散にカレーだと微笑む君と生きて良かった
088:訂   改訂を重ねて厚くなってゆくふたりで生きるためのルール本 
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by ken_1997 | 2012-03-14 03:56 | 題詠(鑑賞)
横雲さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

007:驚   一面に金盞花(きんせんか)咲く広畑に賑はふ声の驚ろしきかな
013:逆   芽吹きたる柳の風を逆髪と見ゆるは吾の心なるらし
016:力   山を抜く力のあるや雛罌粟(ひなげし)の想ひ深かり吾は咲きなむ
035:むしろ 別れ来て衣かたしくさむしろに形見の桜ひとひら溢(こぼ)る
043:輝   陽を浴びて梔子(くちなし)の花咲き初(そ)むる白き輝き吾に注ぎぬ
049:敷   振る舞ひを敷女(しきめ)めくとも見ゆるかに捩花(ねぢばな)ひとつ置きて帰り来
065:酢   酢漿草(かたばみ)の触るれば爆(は)ずる実の如く君が言葉に涙の散りぬ
071:籠   籠鳥の雲を恋ふかに眺むかな槻群(つきむら)の色日々変わり行く
082:苔   苔に散る紅葉うつくし散る恋のなどて悲しく秋の更け行く
095:樹   散り果てし公孫樹(いちやう)になおも風止まずはや冬の空むなしく広し
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by ken_1997 | 2012-03-14 02:56 | 題詠(鑑賞)
遥さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

008:深   題詠は我の深みに漕ぎ出して心の景色写し撮る術
023:必   必然の出会いと別れ繰り返し我が手にはただひとひらの詩(うた)
027:損   永遠に損なわれた少女の日あれから胸は風の通り道
033:滝   日光も汚染されたと聞きました心にかかる霧降の滝
042:稲   黄金に輝く稲穂眺めてもセシウムの文字浮かぶ悲しさ
059:貝   貝殻に海の記憶は刻まれて遥か彼方の想いが寄せる
083:邪   消さないで無邪気な笑みをせせらぎに春の光がきらめくような
084:西洋  同じ色の空を目指し駆けのぼり夏を讃える西洋朝顔
091:締   彼の日まで幼いわたし抱き締めて歌いつつ行く天を見上げて
099:趣   趣味を持つゆとりなかった女たち噂話で時を忘れる
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by ken_1997 | 2012-03-13 23:46 | 題詠(鑑賞)
西中眞二郎さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

003:散   川岸の桜並木を行く人の後姿に花散りかかる
025:触   賀状読めば我が人生の断面に触れたる人ら訪い来るに似る
037:牙   西班牙(エスパニア)の商館長(カピタン)たちは紅き酒酌み交わしいぬ月は半月
040:勉強  勉強してみますと言われて日は過ぎていつしか冬も終りとなりぬ
055:きっと 次回にはきっと出ますと約したる会の日取りがまた近付きぬ
056:晩   その意識なきままに日を送りおれど既に晩年なるやも知れず
070:芸   連れられて入りし園芸店の午後シクラメンの香り温室に充つ
073:庫   み仏は切れ長の目で笑みており庫裏(くり)吹き抜ける風の涼しく
074:無精  無精ひげのままで賀状の返事出す正月三日陽はおぼろにて
078:査   旅の宿でまどろみたるかと思いつつ検査の後の夢より覚める
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by ken_1997 | 2012-03-13 20:00 | 題詠(鑑賞)
夏実麦太朗さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

005:点   太陽の黒点ふえてゆく春に笑いの止まらぬ夢を見ている
011:揃   夕闇は東のほうからやってきて玄関の靴を揃えたくなる
030:敗   太陽の愛に敗れた北風は南の方に行くほかはなく
031:大人  もりもりとあおむし太りゆく春に大人料金はじめて払う
049:敷   敷石に歩幅合わせて歩いてく自分自身にだまされながら
053:渋   頭から爪先までがしまむらの私は渋い色をしている
066:息   吸う息に君の香りが混じってて余計なことをしゃべってしまう
071:籠   自転車の籠に入ったチラシには明るい暮らしが保証されてる
089:喪   バス停は真夏の光を反射する喪服のひとの後ろにならぶ
092:童   木曜の昼はぽわんとしていますの児童公園無意味に広い
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by ken_1997 | 2012-03-13 19:56 | 題詠(鑑賞)
シュンイチさんの御歌からお気に入りを選んでみました。

002:隣   さようなら青春、ごめんねスライダー、ありがとう隣町の太陽
003:散   愛すると言うさみしさを知らぬまま散るのはさくらの花だけでいい
006:時代  ぼくたちの青春にずんとのしかかるベイスターズの暗黒時代
021:示   「週末は荒れた天気」と予報士がぼくの知らない世界を示す
039:蹴   どこにでも死がころがっているような惑星ひとつ蹴りあげてみる
041:喫   喫茶店デートがしたいね コーヒーがまずくて紅茶がうまいところで
062:軸   人類が月に降り立つ時代にも右バッターの軸足は右
068:巨   はじめてをくりかえすたび思い出す駒田が巨人を出た日のことを
092:児   児童館は取り壊されてありがとう待ち合わせにはちょうどいい場所
097:尾   窓際でまずいたばこを吸いながら尾崎は死んだとつぶやいたきみ
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by ken_1997 | 2012-03-13 07:02 | 題詠(鑑賞)
紫苑さんの御歌からお気に入りを選んでみました。

002:隣   里やまに春の隣りの近ければ梢を透かすひかりやはらぐ
011:揃   不揃ひの小鉢に似たり差し向かひ黙して過ぐすひと日の終はり
019:そっくり ひとの子とそつくりに鳴く野良一匹見捨てもならず餌を運びをり
024:玩   たくぶすま白布の波にただよへる吾を玩(もてあそ)べあからしま風
032:詰   海の面に理詰めの君よ帆に帯びぬもの知らずして平らかにあれ
035:むしろ さむしろに鎌一丁の陽を受けつ振るふ手の見ゆ白日夢かな
042:稲   飛び起きて虚空を睨む猫の眸の奥に小さき稲妻はしる
054:武   棲まひせしひとも聞きけむ武相荘(ぶあいさう)を包める竹の群さやぎをり
068:巨   髪撫づる巨きてのひら日の暮れに泡立草の黄の神さぶる
089:喪   咲きしまま色喪(うしな)へるあぢさゐは骸(むくろ)のままに春迎ふらし
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by ken_1997 | 2012-03-13 06:49 | 題詠(鑑賞)